3人以上のレビューが投稿されると、AIによるレビューサマリが表示されます。
グッド数の多いレビュー
もっと見るパトリック・モラーツが参加した唯一のスタジオ・アルバム
リック・ウェイクマンに代わってキーボードをパトリック・モラーツが弾いた唯一作。A面全体を「The Gates Of Delirium(錯乱の扉)」、B面に9分の楽曲を2つという構成。プログレに聴きやすさを求めるなという話もあるだろうとは思うが、あくまで個人的な印象として、『こわれもの』や『危機』の収録曲と比べると演奏(特にハウのギター)もコチャコチャしていて少々難解に思える。
ジャズ・フュージョンとの融合が生んだ挑戦的な傑作
1974年にリリースされた『Relayer』は、Yesの大胆な実験精神が結実したアルバムです。前作ツアー終了後にRick Wakemanが脱退し、スイス出身のPatrick Morazが新たなキーボーディストとして迎えられました。この人選が、本作を他のYes作品とは一線を画す独特なサウンドへと導いています。 ## 評価のポイント 本作は1970年代のYesのカタログの中で最も急進的な方向転換を示し、ジャズ・ロックの要素を大胆に取り入れています。特にMorazのジャジーなキーボードワークが、バンドに新しい色彩をもたらしました。22分に及ぶ大作「The Gates of Delirium」は、トルストイの『戦争と平和』から着想を得た作品で、激しいバトルシーンを経て美しい祈りのセクション「Soon」へと昇華する構成が見事です。続く「Sound Chaser」はジャズ・フュージョンとファンクの要素を含む超絶技巧的なナンバーで、緊張感に満ちた演奏が圧倒的。最後の「To Be Over」では、エキゾチックな美しさで静かに幕を閉じます。 ただし、この作品の攻撃的で複雑な音楽性は万人受けするものではありません。それでも、挑戦を恐れないプログレッシブ・ロックの理想を体現した、聴き応えのある一枚です。 ## 関連作品・その他のおすすめ Yesの他作品では『Close to the Edge』が構成面で似た魅力を持っています。本作のジャズ寄りのサウンドに興味を持たれた方には、Mahavishnu Orchestraの『Birds of Fire』やReturn to Foreverの作品群もおすすめです。 ## 注目トラック The Gates of Delirium, Sound Chaser