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新作リリース記念!ポール・マッカートニーの軌跡

2026年5月に新作『ダンジョン・レインの少年たち』をリリースするポール・マッカートニーのキャリアを概観する20作をチョイスしました!

アーティスト特集ポール・マッカートニーザ・ビートルズウイングス
新作リリース記念!ポール・マッカートニーの軌跡

 ザ・ビートルズの一員として一世を風靡し、その後ソロ・デビュー。さらには妻のリンダらとウイングスを結成し、80年代初頭に同グループが解散したあとは現在までソロとして精力的に活動し続けるポール。今年5月に5年以上ぶりの新作『The Boys of Dungeon Lane(ダンジョン・レインの少年たち)』がリリースされるのを記念して、彼のキャリアを概観し音楽界における功績を振り返る上で欠かせない20作のアルバムを厳選しました。

ザ・ビートルズ

 1942年にリヴァプールで生まれたポールは57年、共通の友人の紹介でジョン・レノンと知り合い、彼のスキッフル・バンドであるクオリーメンに加入。同グループは1960年にザ・ビートルズへと発展します。
 グループはポール、ジョン、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターの4人で62年にデビューすると、1stシングル「Love Me Do」を皮切りに、「Please Please Me」、「She Loves You」と立て続けにヒットを放って英国中を席巻。64年にはアメリカに進出し、"エド・サリヴァン・ショー"への出演をきっかけに"ブリティッシュ・インヴェイジョン"の一大ムーヴメントを巻き起こしました。その中でポールはジョンとともにグループの作曲の中心を担い、「Yesterday」に代表されるようにソングライターとしても才能を遺憾なく発揮しました。
 一方で世界の熱狂ぶりに少しずつ疲弊・幻滅し始めた4人はライヴ活動を停止し、スタジオでのアルバム制作に精力を注ぐようになりました。そしてグループは『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』(67年)や『The Beatles(ホワイト・アルバム)』(68年)、『Abbey Road』(69年)といった傑作を次々に放ちました。
 しかしマネージャーのブライアン・エプスタインの死去なども遠因となって徐々にメンバーたちの結束は崩れていき、70年にビートルズは解散することとなります。

ウイングスとソロ活動

 ビートルズの解散後、ポールは妻リンダとともに再出発しました。70年に発表された最初のソロ・アルバム『McCartney』は、リンダの撮影した写真をジャケットにあしらい、自宅で静かに1人で製作した私的な作風のアルバムでした。
 そして71年には、リンダや元ムーディー・ブルースのデニー・レインらとウイングスとしてデビュー。ウイングスとしても『Band on the Run』(73年)、『Venus and Mars』(75年)、アナログ3枚組のライヴ盤『Wings Over America』(76年)など時代を代表する傑作を次々に放ちました。ウイングスにはポール以外にも、作曲面でもグループに貢献した上述のデニー・レイン、若くしてこの世を去った名ギタリストのジミー・マカロック、最後のアルバムのみの参加となったギターのローレンス・ジューバーなどの名プレーヤーが在籍しました。
 しかし、ウイングスとしての活動はポールの80年の来日時の逮捕などをきっかけに暗礁に乗り上げ、以降ポールはソロ活動に専念。それからは個人として『McCartney II』(80年)、『Tug of War』(82年)、『Flowers in the Dirt』(89年)、『Flaming Pie』(97年)、『Egypt Station』(18年)など現在に至るまで優れた音楽を作り出しています。作品ごとに異なるコラボレーターと手を組みながら、それぞれに個性的なアルバム群を残してきました。

 彼がビートルズの一員として残した傑作群、再びバンドの中で輝きを取り戻したウイングスの名作の数々、それぞれに個性的で独創的なソロ・アルバム――そのどれもが甲乙つけ難い輝きを放っています。ウイングスの『Back to the Egg』も長らく失敗作とされながら再評価の動きもある通り、好みの違いこそあれど駄作は一つとして存在しません。
 この特集が新作に向けてポールのキャリアを改めて振り返るきっかけになれば幸いです。みなさんの好きなアルバム、好きな楽曲、みなさんの思うポールの音楽の魅力などもコメント欄やレビューで教えてください!

ピックアップアルバム

リンダとの共同名義で発表された1971年の作品。ビートルズ解散以降のポールの最高傑作に挙がることも多い人気作品です。

伝説の出発点となったデビュー・アルバム。メンバーたちがパフォーマーとしてこの時点で完成されていたことを痛感させられる仕上がりです。

ポールのキャリアにおける代表曲である「Yesterday」を収めたビートルズによる65年の作品。ポールはカントリー風の「夢の人」なども提供。

言わずと知れたビートルズの大傑作。"架空のバンドによるコンサート"というコンセプトを思いついたのもポールだったとされています。

2枚組で雑多かつ個性的な楽曲ばかりが並ぶ"ホワイト・アルバム"。ポールは「Ob-La-Di, Ob-La-Da」や「Martha My Dear」など名曲の数々を提供。

制作背景からその仕上がりに賛否はあるものの、「Get Back」、「Let It Be」、「The Long and Winding Road」などポールの代表曲を数多く収録。

『Let It Be』よりあとに制作されたこのアルバムはポールの呼びかけにより実現し、またB面をメドレー形式にする構想を推し進めたのもポールでした。

ポールが主に自宅で一人で作り上げた最初のソロ・アルバム。素朴な作風の楽曲が並ぶ一方で、名曲「Maybe I'm Amazed」のオリジナル版も収録。

ナイジェリアでのレコーディングは波瀾万丈だったものの、結果的に英米両国で1位を獲得しポールのキャリアを代表するアルバムに。

ジミー・マカロックらを含む5人体制になり、各メンバーの個性も表れたウイングスの4thアルバム。「You Gave Me the Answer」なども魅力たっぷり。

アナログ3枚組という大ボリュームでリリースされたウイングスのライヴ・アルバム。ウイングスのベスト盤としても楽しめる仕上がりです。

超豪華ゲストが集結した"ロケストラ"の楽曲を含むウイングスとしてのラスト・アルバム。ジャジーな「Baby's Request」も絶品です。

ポールが1980年にリリースした宅録ソロ・アルバムの第2弾。電子楽器を導入した実験的なサウンドが特徴的で、アイコニックなジャケットも目を引きます。

ウイングスの作品として制作される可能性もあったという過渡期の1作。スティーヴィー・ワンダーとのコラボでも有名。

前作『Tug of War』に続き、本作では一部楽曲でマイケル・ジャクソンとコラボ。遊び心を感じさせるポール流のポップス作といった趣です。

エルヴィス・コステロ、トレヴァー・ホーン、デヴィッド・フォスターらと手を組み、多くのプロデューサーを迎えながら制作した意欲作。

ビートルズの"アンソロジー・プロジェクト"に関わったのをきっかけに、ELOのジェフ・リンの協力を得て作り上げた97年の快作。

キリング・ジョークのメンバーであるユースとのプロジェクトで2008年に発表されたアルバム。ポールは全曲を作曲し、ヴォーカルも披露。

"駅"をテーマにしたコンセプチュアルな1作。ジャケットにはポール本人の描いたイラストが使われています。

新型コロナのロックダウン中に制作されたポールのセルフ・タイトル・シリーズの第3作。全英1位を獲得。

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