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1979年に解散したELP(エマーソン・レイク・アンド・パーマー)が14年ぶりに再結成し、90年代の復活をかけて送り出したのが本作です。 ## 評価のポイント 70年代プログレの雄が時代を経て鳴らす音楽は、かつてのような壮大な実験精神よりも、より直線的でストレートなロック・サウンドを志向しています。タイトル曲「Black Moon」は、ハモンド・オルガンとムーグ・シンセサイザーが渦巻く重厚な幕開けで、キース・エマーソンの鍵盤技巧は健在。しかし全体的には90年代のAOR的な手触りが強く、往年の複雑怪奇な構成美とは異なるアプローチです。グレッグ・レイクのヴォーカルは往時より低音域にシフトしており、声の艶は失われたものの力強さは感じられます。「Close to Home」のようなピアノ・インストゥルメンタルは叙情的で味わい深く、「Changing States」では久しぶりに本格的なプログレッシブ展開を聴かせてくれます。ただ、全編通じてキャッチーさを重視した楽曲が多く、かつてのファンには物足りなさが残るかもしれません。 プログレ黄金期を知る者にとっては賛否の分かれる内容ですが、新たな時代への適応を試みた挑戦として一定の評価はできる作品です。 ## 関連作品・その他のおすすめ ELP入門なら『Tarkus』『Brain Salad Surgery』を。同時期の他バンド復活作では、Yes『Union』なども併せて聴くと90年代プログレ・レジェンドの姿が見えてきます。 ## 注目トラック Black Moon、Close to Home