3人以上のレビューが投稿されると、AIによるレビューサマリが表示されます。
1976年にリリースされながらも、事務所移籍のトラブルや時代の空気との齟齬により、わずか1年で廃盤となった不遇のアルバムです。しかし熱心なファンの運動により1980年に再発されると、RCサクセションの重要作として広く再評価されることになりました。アコースティック・フォーク路線からエレクトリック・ロックへと大きく舵を切ったこの作品には、後の「KING OF ROCK」への萌芽が確かに息づいています。 ## 評価のポイント 本作最大の魅力は、音楽的な多様性と統一感が見事に両立している点です。ファンキーなホーンセクションが炸裂するオープニングから、心に染み入るバラードまで、ロック、ファンク、ソウルといった様々な要素が詰まっています。アレンジャーに星勝を迎え、タワー・オブ・パワーらの豪華ミュージシャンが参加したことで、洗練されたサウンドが実現されました。 そして何より、忌野清志郎の歌声が圧倒的です。日本のロック史に残る名曲「スローバラード」での魂を振り絞るような歌唱、「ヒッピーに捧ぐ」での切実な叫び、「甲州街道はもう秋なのさ」での叙情性など、楽曲ごとに異なる表情を見せながらも、すべてに強い説得力があります。23歳の若者の不安、葛藤、希望が生々しく刻まれており、単なる技術的完成度を超えた人間的な深みがあるのです。 ## 関連作品・その他のおすすめ 本作の路線をさらに推し進めたい方には、1980年のライブアルバム「RHAPSODY」がおすすめです。新体制での迫力あるロックサウンドが堪能できます。また、初期のフォーク色を知りたい方は「初期のRCサクセション」を聴くと、バンドの変遷がよくわかるでしょう。日本のロック黎明期を彩った同時代のアーティストとしては、はっぴいえんどや井上陽水の作品も併せて聴くと、時代の空気感がより立体的に感じられます。 ## 注目トラック スローバラード、ヒッピーに捧ぐ、甲州街道はもう秋なのさ