新ボーカルを迎えた挑戦作、しかし方向性に迷いが見える最終作
1997年9月にリリースされたこのアルバムは、長年フロントマンを務めたフィル・コリンズの脱退後、スコットランド出身の新ボーカリスト、レイ・ウィルソンを迎えた唯一の作品となりました。イギリスでは2位を記録したものの、アメリカでは54位に留まり、北米ツアーはチケット売上不振により中止という残念な結果に終わりました。
評価のポイント
このアルバムの最大の問題は、方向性の不明確さです。より暗く、よりアトモスフェリックな方向性を探求した楽曲群は、90年代のオルタナティブ・ロックの影響を感じさせますが、かつてのGenesisらしさとの間で揺れ動いています。
タイトル曲や「The Dividing Line」「There Must Be Some Other Way」といった長尺の楽曲では、プログレッシブな要素が顔を出し、聴き応えがあります。しかし、アルバム前半に配置された「Shipwrecked」や「Not About Us」のようなバラード曲は、かつてのポップ路線の残滓のようで、新しいボーカリストの個性を活かしきれていません。
批評家からは方向性の欠如を批判されつつも、ウィルソンのパフォーマンスは評価されました。彼の声はコリンズよりもピーター・ガブリエルに近く、暗めの楽曲には合っていますが、全体としてバンドの化学反応が不足しています。
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同時期のプログレッシブ・ロックバンドの変化という点では、Marillionの「Brave」(1994)が参考になるでしょう。また、より成功したボーカル交代劇としては、Van HalenのSammy Hagar期、特に「5150」(1986)が好例です。Genesisの他作品では、「Duke」(1980)や「Abacab」(1981)といった、変化期の名盤と比較すると、本作の課題が見えてきます。
注目トラック
Calling All Stations、The Dividing Line
このレビューはAIによって生成されています。誤った情報が含まれる可能性があります。