メロディーに目覚めたロックバンドの豊かな果実
2002年にリリースされた本作は、Red Hot Chili Peppersがメロディーと調和を最優先に据えた意欲的なアルバムです。彼らのトレードマークだったファンクロックのアグレッシブさを抑え、ビートルズやビーチボーイズに影響を受けた重層的なハーモニーと洗練されたアレンジに満ちた作品となっています。
評価のポイント
本作の最大の特徴は、ギタリストの創作意欲が全面に打ち出された豊かなメロディーラインです。複雑なコーラスワークとストリングスアレンジが、以前のスラップベース主導のサウンドに代わって前面に登場しています。タイトル曲「By the Way」は轟音のヴァースと甘美なメロディーが交錯する構成が印象的で、「Can't Stop」では軽やかなファンクグルーヴを維持しながら新しい美学を提示しています。
一方で、この方向性の転換には賛否があることも事実です。バンドメンバー間の創作バランスに影響を与え、ある種の内部緊張を生んだとも伝えられています。しかし、結果として「The Zephyr Song」のサイケデリックな浮遊感や、「Dosed」の繊細な美しさ、6分を超える大作「Venice Queen」の情感豊かな展開など、彼らのキャリアで最も洗練された楽曲群が生まれました。
関連作品・その他のおすすめ
メロディー重視の方向性を求めるなら前作「Californication」、あるいは次作「Stadium Arcadium」がおすすめです。ビートルズ的なハーモニーアプローチに興味があれば、The Beatles「Abbey Road」やThe Beach Boys「Pet Sounds」も聴き比べてみると面白いでしょう。
注目トラック
By the Way / Don't Forget Me / Venice Queen
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