ジャンルの寄せ集めが生んだ、賛否両論のサバイバル・ロック
Museが2022年にリリースした本作は、バンド自身が「新曲によるベスト盤」と称した意欲作です。バンドはこれを「新曲によるベスト盤」のようなジャンル横断アルバムと表現しています。過去の様々な音楽スタイルを詰め込んだ全10曲・37分という短めの構成で、不安定な世界情勢や気候変動といった現代社会の危機に向き合った政治的なテーマが貫かれています。
評価のポイント
音楽的には、ヘヴィなギターロックからシンセポップ、グラムロック調まで幅広いサウンドが詰まっていますが、それが良くも悪くもバラバラな印象を与えてしまいます。「Kill or Be Killed」は激しいドラムとメタルコア的なグロウルが印象的で、バンドの初期を思わせる力強さがあります。一方で、歌詞のメッセージ性については曖昧な部分が多く、政治的なテーマを扱いながらも具体性に欠けるという指摘もあります。プロダクション面ではバンドによる完全セルフプロデュースとなっており、統一感よりも多様性を重視した選択が見られます。
全体として、個々の楽曲には魅力的な瞬間がありながらも、アルバムとしてのまとまりには欠ける印象です。Museらしい壮大さと大げささは健在ですが、キャリア最高傑作とは言えません。ただし、ファンにとっては様々な時代のMuseを一度に楽しめる構成となっています。
関連作品・その他のおすすめ
本作の重厚なギターサウンドが気に入った方には、Museの『Black Holes and Revelations』や『Absolution』がおすすめです。また、政治的メッセージと壮大なロックを組み合わせたスタイルが好みなら、Rage Against the Machineの諸作も聴いてみる価値があるでしょう。
注目トラック
Kill or Be Killed、Won't Stand Down
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